大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

福岡高等裁判所 昭和31年(ラ)85号 決定 1956年10月05日

抗告人 帆足浩蔵

決  定

大分県玖珠郡九重町大字松木六番地

抗告人 帆足浩蔵

右抗告人は大分地方裁判所日田支部昭和三十一年(家イ)第七〇号損害賠償調停事件の申立人であるが、該裁判所調停委員会が昭和三十一年八月十三日右事件につき家事審判規則第三十八条の二にしたがつて本件調停が成立しないものとして事件を終了させる旨宣言させたのは違法であるから、家事審判法第十四条によつて該審判につき即時抗告の申立をするというのであるが、調停委員会(若しくは家事審判官が一人で調停する場合)が家事審判規則第百三十八条の二にしたがつて調停が成立しないものとして事件を終了させることは審判に該当しないことは勿論その他何等の裁判にも該当しないことは明かである。したがつてこれに対し即時抗告は固より非訟事件手続法による抗告をすることもできないのであるから、本件抗告は不適法として却下すべく、抗告費用につき民事訴訟法第八十九条を適用し次のとおり決定する。

主文

本件抗告は却下する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

(裁判長裁判官 桑原国朝 裁判官 二階信一 裁判官 秦亘)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例